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『水死体に出くわす』


857 :本当にあった怖い名無し:2009/03/21(土) 01:00:02 ID:YkPX6cjtO
にわかに信じられないんだが、うちのおふくろがおふくろの祖父に聞いた話。

母方のばあちゃんの実家は、漁師の網元だったらしい。
で、おふくろの祖父(以降祖父)が、よくおふくろに話していたらしい。

祖父が若い頃、海に出て漁をしていると、水死体に出くわすことがあったらしい。
事故にしろ自殺にしろ、水死体というのは無惨な姿で波間に浮いているんだが、
不思議と船に近付いてくるんだそうな。
当時まだ戦前だから、地方の漁師で船外機のついた船なんか乗ってるはずない。
引き離そうと必死に漕いでも付いてくるんだそうな。
小さなてこぎ船で一人で漁をしてるので、引き上げるわけにもいかないし、
生活がかかってるから漁を中断することもできない。

そういう時に、昔かたぎの漁師には、ある種のまじないみたいなのがあったらしい。
というのは、水死体に手を合わせて、
「スマンが今から漁をしなけりゃならないから、少し離れて邪魔をせんといてくれんか。
 そのかわり、あんたを何がなんでも陸に帰してやるけん」
ってお願いするらしい。
そうすると水死体は、いつの間にか波間に見え隠れするぐらいのところで、つかず離れずに浮いているそうな。
で、漁を終えて帰途につく時に、
「漁は終ったけん、今から帰るけんの。しっかり付いてきんさいよ」って声をかけて帰るんだそうな。
すると不思議と水死体は、つかず離れずの距離を保って港までついてくるんだそうな。

祖父が言うには、「どんなになっても人間ってのは、海にはおられんもんなんだろう」って。
何がなんでも陸に上がろうとするのが、人間の性なんでしょうね。


859 :本当にあった怖い名無し:2009/03/21(土) 23:35:25 ID:eLXfUvMO0
>>857
山口県あたりの人?
赤江瀑『海贄考』って短編小説に同じような話が載ってあった。


861 :本当にあった怖い名無し:2009/03/22(日) 13:12:49 ID:+oPYt+qRO
>>859
レスありがとうございます。
実家は広島の呉の外れです。
瀬戸内に古くから伝わる話なんですかね?
波の荒い外海だと、こんなふうにならないかもしれませんね。

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